特別インタビュー&ネクタイリメイクの作り方

捨てないで!古いネクタイが、すてきな商品に生まれ変わります。アイディアと発想の転換で、シルク100%のオリジナル作品を!着物だけでなくネクタイのリメイクも発案している老沼先生に、ネクタイリメイクの魅力について伺いました。

昨今は、クールビズの普及やカジュアル化でネクタイをしなくなったり、定年退職で使わなくなったネクタイがクローゼットに眠っている方も多いのではないでしょうか。団塊世代が定年を迎えた頃には、ネクタイがフリーマーケットで大量に売られていたり、処分に困っている現状をたくさん目にしました。 ネクタイは、リメイクの素材として素晴らしい可能性を秘めています。柄も豊富でシルク100%の生地が多く、肌触りや手触りも抜群です。しかもネクタイは、解いてみると意外に長さや幅があります。その範囲内なら、どんなものにもリメイクができてしまうのです。解かないでそのまま作れる作品もあります。今回は、初心者向けや洋裁の苦手な方向けの作品を載せました。まずはできそうな作品から仕上げていきましょう。作品を作った後は、ソーイングが大好きになっていることでしょう。ネクタイのリメイクによって、再利用の素晴らしさを皆さまに知っていただくことができれば幸いです。

老沼先生が提案する、ネクタイを使ったリメイク作品ってどんなものですか。

実はネクタイの生地は絹(シルク)が主で、柄も斬新なものから縞やぺイズリーなど豊富で素敵なものが多く、生地を解いてみると結構な長さと幅があります。素材としては捨てがたいもので、柄や絹感触、そして艶をリメイク品として再生・活用することで、新しい使い方やデザインが次々と浮かんできます。例えばロングスカート、ミニスカート、クッションからベスト、ポシェットなど、夢はどこまでも広がります。この頃は定年を迎えた男性の受講者も増えたので、男性向けのウエストポーチなども提案しています。

私もネクタイを活用して何か作ってみたいと思いますが、どこから始めればよいでしょうか。何かコツはありますか?

最初は生地を解かず、剣先を利用した櫛入れや、扇子入れ、ペンケースなど、手をかけずに15分程度でできるものから挑戦して見ましょう!それができたら次はマイバック(手提げ袋)といった具合に。初心者で洋裁経験がないからと敬遠しないで、自分で仕上げた達成感を大切に!ストックのネクタイがなくなる頃には、あなたは立派な洋裁名人に成長していますよ。私の生徒さんの中には、ベストなどを注文制作して販売されている方もいるんですよ。

先生にとって、「リメイク作品の良さ」とは何でしょうか。

リメイクについて思うのですが、「古いものだからだめ」という考えをまず変えていかなければと思っています。というのは、この日本には、あり切れ、古着物、洋服など、まだまだ使える素材や材料があり余っているんです。その素材や材料は、自然やエネルギーをふんだんに使ってできています。そのような素材をトコトン使い込む。古くなったものを、自分の個性や発想力を生かしながら再生させることでまた新しい命が芽生える。環境的にも重要なことではないでしょうか。人に喜んでもらえる限り、手づくりに決まった形はありません。またそうすることによって、手づくりへの思いから、環境問題、政治や社会に至るまで、色々なことに関心が芽生えてきます。

最後に老沼先生から、全国のファンの皆様に、何かメッセージをいただけないでしょうか。

あまり洋裁経験がないからとか、手づくりが苦手だから、上手にできないなどと諦めず、まず下手でも挑戦することで、仕上げた喜びを味わうことができますよ。ちなみに、最初は手づくりを敬遠していた生徒さんは、最初は切ったり貼ったりの「楊枝入れ」や「針坊主」を作っていましたが、今では袋物を作っています。まず短時間でできるものからはじめてみましょう!手づくりをしている最中、幸せを感じる方って多いと思います。世界で一つの作品に、あなたの個性と輝きを表現してみましょう。ぜひ、個性豊かな作品を誕生させてくださいね!